ハラだいす

暇潰し

昔好きだったゲームの話

私は昔、あるゲームが大好きでした。

 

どのくらい好きだったかというと、そのゲームの本編を全作揃え、関連CDを全部揃え、関連書籍を全部揃え、さらにそのゲームの二次創作作品に安い中古車が1台買える程度の金額をつぎ込んだくらいです。

 

そしてそのゲームのイベントが全国各地で開催されるたびに、時には鈍行に乗り時には夜行バスに乗り、日本中を駆け回りました。ビッグサイトインテックス大阪など、家の庭と変わりません。

 

私が初めて買った本棚には、そのゲームの同人誌(えろほんじゃないよ)およそ800冊がギッシリ詰まっています。

毎週のようにメ〇ンブックスに通っては、大量にある魅力的な本の中から限られた小遣いで最高の買い物をすべく、血反吐を吐く思いで厳選に厳選を重ね、買った本を持ちながらウキウキ気分で帰りのバスに乗っていたあの頃が、まるで昨日のことのようです。

 

ここまでならまだよくいる(?)オタクの範疇かも知れません。しかし私のそのゲームに対する入れ込みようは、おそらく常人には理解し難いレベルであったと思います。

 

まず、このゲームの同人誌を書きたくて、ペンタブを購入し絵の勉強をしました。ちなみに、実は一度だけイベントで本を頒布したこともあります。今でも漫画を描くのは大好きですし、密かな夢は漫画家になることなのですが、きっかけはこのゲームでした。

 

このゲームのファン同士で友達もできました。このゲームに関するイベントや読書会、大学のサークルまでありますからね。

中でも面白いのが、このゲームを通じて知り合った友達が、某フォロワーの高校時代の友達だったという話。その発覚の仕方もまたすごい偶然で、その人たちとは世間狭!という話で盛り上がりました。

 

また、私はこのゲームに注ぎ込む資金を調達するため、持っていたゲームや漫画、その他物という物のほとんどを売り払いました。

大した金額にはなりませんでしたが、それでも1円でも多くしようと必死でした。

 

さらに、このゲームのあるシリーズで仏教や道教をモチーフにしたストーリー及びキャラクターがおり、そこから宗教学に興味を持ちました。センター試験は独学で倫理を受け、文学部の哲学専攻に入学したのもこのゲームがきっかけでした。(実際は興味のある分野とはあまり関係ありませんでしたが……)

そのほか、日本神話をモチーフにしたストーリーもあり、図書館で古事記や日本書記に読み耽っていた時期もありました。

 

まだまだあります。

このゲームは音楽も本当に素晴らしく、原曲やアレンジを毎日毎日聴きに聴き、耳にはタコの養殖場が作られ、ウォークマンはもういい加減にしてくれと言わんばかりに操作盤は外れ本体は曲がり(実話)、それでも曲だけは今もなお聴いている、それほど好きで好きでやまないのです。

 

私が結構やりこんだK〇NMAIのとある音ゲーも、初めは「このゲームのアレンジ曲が入ってるから」という理由だけでプレイしていました。その名残りで、色んな曲がある中でそのシリーズの曲のプレイ回数だけ異常に多いです。

 

あ、あと作曲にも少し挑戦しようとした時期がありましたね。もちろん、このゲームのアレンジ曲を作りたいからです。さすがにこれはすぐに断念しましたが。

 

そういえば、一時期なぜかやたらの服ばっかり着てましたね。

いや、関係ないですけどね、ただなぜかの服ばっかり持ってたんで。

まあどうでもいいことですがね。

(ここ、意味がわからない人は気にしないでください。それが普通です)

 

このように数あるキモい話の中でも特に気持ち悪いエピソードをひとつ。

私がこのゲームを知ったのは高校1年くらいの時ですが、その頃このゲームはよくブームが去った、いわゆる「オワコン」と言われ、その中で決まって引き合いに出されるのが、当時稼働開始から爆発的な人気を博した艦隊を集める某シミュレーションゲームでした。

とてもくだらない話で、他のゲームがどうであろうがこのゲームの面白さが変わる訳もなく、好きなものは好き、の一言で済む話なのですが、当時クソガキだった私はこれがとても悔しく、そのせいでゲームには何の罪もないのに相当な艦隊を集める某シミュレーションゲームアレルギーでした。あと、どうしてもっと早くこのゲームを知れなかったのだろうという謎の苦悶にも連日悩まされていましたね。

 

気持ち悪いといえば、そうそう。

このゲーム、ストーリーはあるにはあるんですが、作者が敢えて肝心な部分を曖昧にしているということが多々あり、多すぎず少なすぎす絶妙に限られた情報からプレイヤーの考察と想像力を掻き立てるという形態を取っています。

早い話が、このゲームを楽しむには妄想が大事ということです。ゲームプレイ後、ストーリーを考察し背景やその後の展開を妄想する。これが一種のルーティーンとなっています。

なので私もかなり妄想しましたね、ええ。いえ、決していやらしい意味でなく。

 

他にもキモ・エピソードは腐るほどありますが、これだけでも私がいかにヤバいオタクだったかがわかるかと思います。正直この文章を打っている自分が一番キツいです。でも、それくらい本当に面白いんです。

 

そして、これほどまでに好きだったゲームなのですが、今ではもう本を買うどころかゲームの本編をプレイすることすらなくなりました。

 

理由は特にありません。大学に入って部活に打ち込み、友達と遊んでいる間に、自然と離れていきました。

 

今は別に興味もありません。

 

 

 

嘘です。今でも大好きです。

本当は今すぐにでも本やCDを買いに飛び出したいです。

 

しかし、毎月何百、何千という数の本やCDが出回るこの界隈で、ブランクの間に買わなかったものを1から揃えるのは、ぶっちゃけ無理です。なにせ発行数が2桁のものも少なくありませんから。

いや、それ以上に。

参加できるのにしなかった数々のイベント、本を描きたいと思いながらことごとく見逃したチャンス。

実際はこういった本当に取り返しのつかないものが、私をこの界隈から遠ざける要因となっているのでしょう。

 

結局、私は好きなものを普通に楽しむことすらできず、それを他のことのせいにしている。

昔の自分が今の自分の姿を見たら、ショックで失神しちゃうでしょうね。

 

それでもいつか、もしまたこのゲームにハマる時があればー

もう一度、自分の作品を完成させるべく頑張ってみたいですね。

 

 

 

ところで、最後まで具体名を出さず「このゲーム」で通して来ましたが、これ隠す意味ないですよね。

でも、こういうブログだと何となく名前は出したくない。そんな気持ち、わかっていただけます?

 

おしまい

梅田のバーに1人で行った話

ブログを開いたもののなんにも話すことがないので、数ヶ月前の話をします。

 

 

ある日、友人と遊ぶ約束を当日にドタキャンされて落ち込んでいた私は、とくにすることもないので軽い気持ちで友人に勧められていた梅田のとあるバーに行ってみました。

 

なにやらイケイケな若者が出会いを求めて訪れるバーだそうで、どう考えても私が楽しめるような場所ではなさそうですが、普通のバーならそれなりに行きますし、ノリが合わなければマスターと話しとけばそれなりに楽しく過ごせるだろうと思い入店しました。下心はもちろんあります。

 

しかし、どうも雰囲気が変です。

 

まずマスターがいません。若い従業員がそこかしこにいる感じです。

それに、1人客がいません。全員もれなく連れがいました。

そして、ウェイです。1にも2にもウェイです。ひたすらウェイウェイしてます。

 

あ、負けました。

 

一応の逃げ道を作っておいたはずが、その逃げ道すら閉ざされたことに気づいた私は、恥ずかしさと後悔で一刻も早くロケットになって宇宙まで飛んでいきたい気分になりました。

 

しかし、さすがに2000円も出しといてこのままでは余りに哀しいと思った私は、勇気を出して数人の男性グループに「一緒に乾杯してもいいですか?」と声をかけました。この時の私はそれなりに頑張ったと思います。(せっかくなら女性グループに声をかければよかったのにって?それができるんならこんなとこに1人でいねーよ)

 

そこからしばらくは適当にその人達とだべって、楽しく過ごしました。皆さん社会人でしたが、面白い話を色々聞いて、やっぱり話し相手がいるといないとでは雲泥の差だと改めて感じました。当たり前のことですが。

 

問題はここからです。普通のビール数杯にイェーガーマイスターというドギツいお酒をストレートで呑んだ私は、当然のように頭パンパカパーンになりながらノリでその人たちと二軒目に行くことになったのですが、その店がちょっと妖しい店だった気がするのです。(気がするというのは、すでにこの時私の海馬は爆発四散しており、店の名前すら覚えていないため)

 

風俗とかそういうのでは全然ないのですが、相席屋をもっとオシャレにしたみたいな、そんな感じだったと思います。

 

なので女性と話したということだけは覚えているのですが、それだけ。おそらく会話にすらなっていなかったでしょう。シラフの状態だったら普通に楽しめたかと思うと、残念で仕方ありません。

 

その後はもうまともに歩けもしない状態でその人たちと別れ、梅田の駅前でしばらくぶっ倒れてる間に、

 

スられました。

 

誰かが私のカバンに何かしているのはなんとなく分かったのですが、それがなんなのかを理解する頭はもう私にはありませんでした。

 

その後、身も心もボロボロになった私はなんとか電車に乗るも、普通に気持ち悪くなり途中の駅で思わず下車。ベンチでウーウー唸りながらうずくまっており、

 

そして終電は目の前を去っていきました。

 

 

自分がここまでアホな人間だとは思っていませんでしたが、そのことに気づけたのと、これまで全く縁のなかった世界を少し知れたので、いい経験といえばいい経験だったと思います。

とりあえず、酒で調子に乗るのだけはやめようと心に誓いました。

 

おしまい